自転車に乗れるようになったねっつぃ君は、色んなところに行きたくなりました。
「お母さん、自転車に乗って、出かけてくるね。」
ねっつぃ君は言いました。
「気を付けてね、ねっつぃ。」
お母さんはちょっと心配そう。
「行ってきまーす。」
ねっつぃ君は自転車に飛び乗り、走り出しました。
ねっつぃ君は、まず、お母さんと一緒に行ったことのある、近くスーパーに行こうと思いました。スーパーに行く途中には、車のいっぱい通る、大きな通りがあります。ねっつぃ君は初め、歩道を通っていましたが、前におばさんがいたので、車道に降りました。
前から車がいっぱい来ます。ねっつぃ君はちょっと怖くなりました。
「こら、そこの坊主。」
ねっつぃ君は歩道を歩いていたおじいさんに呼び止められました。
ポカンッ、ねっつぃ君はおじいさんに頭を叩かれました。
「ばか者、道路の右側を走っちゃいかん、自転車は左側を走るんだ。親は一体何を教えているんだ。顔が見たいよ。」
「うん、わかったよ。」
ねっつぃ君はいたいのを我慢して、お家に帰りました。
「ねっつぃ、もう帰って来たの、早かったわね。」
「うん。」
ねっつぃ君はなんだかしょぼんとしていました。
お父さんが帰ってきたとき、ねっつぃ君は言いました。
「お父さん、自転車で、道路の右側を走ってたら、おじいさんに叩かれたよー。」
お父さんはちょっと考えて言いました。
「ねっつぃ、ごめんな、お父さんが悪かったんだ。危うくねっつぃを死なせるところだった。」
お父さんは、反省していますが、ねっつぃ君はきょとんとしています。
「親の義務なのに、ねっつぃに交通ルールを教えるのを忘れていたんだ。交通ルールを知らないと、自分が危険な目に逢ったり、周りの人に迷惑をかけるんだぞ。」
ねっつぃ君は交通ルールという言葉をはじめて聞きました。
「交通ルールって?」
お父さんは言いました。
「まず、信号さんが赤なら止まれ、青なら気を付けて進めだ。」
「うん、知ってるよ。幼稚園で習ったよ。」
「次に、歩く人は歩道を通るんだ。自転車は通れる歩道か、道路の左端を通るんだ。」
「へー、通れるほど打って何?」
「自転車と人の絵が書いてある青い標識が立っているところだよ。」
「うん、見たことあるよ。」
「それから、地面に止まれって、書いてあるところでは止まって右や左から車がこないか、気を付けるんだよ。止まらないとぶつかって死ぬからな。」
「死ぬのは嫌だよー。」
「自転車に乗る時は、雨が降っても傘をさしてはだめだぞ。片手だけで運転すると、ふらふらするし、ブレーキも利かないし、傘がどこかに引っかかって倒れて、引かれたりするからな。雨の日は、乗らないか、カッパを着るんだ。」
「雨の日って、怖いね。」
「夜は、ライトを点けて乗るんだ。ライト付けても余り地面は明るくならないけど、ライトを点けていないと、前から来る人が自転車がいるって、気が付かないから、ぶつかったりするんだ。」
「うん、わかった。」
「最後に、二人乗りはしちゃだめだよ。小さい子がお母さんの後ろに乗るのはいいけど、同じくらいの体重だと、重さが2倍になるから、曲がったり、止まったりしにくいんだ。それで事故に逢っちゃうんだ。」
「交通ルールって色々あるんだね、ハミルトン君にもおえてあげよう。」
こうしてねっつぃ君は、交通事故に逢う前に、交通ルール覚えました。
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