6.ねっつぃのひとりで留守番

 今日はお母さんがお出かけします。お父さんは会社です。ねっつぃ君はひとりで留守番することになりました。
「ねっつぃ、知らない人にドアを開けちゃだめよ。」
とお母さんは言いました。
「うん、わかった。任せておいて。」
ねっつぃ君は元気よく答えました。
「じゃあ、行って来ます。」
「行ってらっしゃい。」
お母さんは行ってしまいました。
ねっつぃ君は、いつもは1日1時間と決められているテレビゲームを今日はいっぱいやろうと思いました。
ねっつぃ君はテレビゲームを始め、ずーとやっていました。
 ちょっとお腹がすいたねっつぃ君、戸棚にあるお菓子を食べようと思いました。ねっつぃ君は戸棚の前まで着ましたが、お菓子に手が届きません。
 そこで、ねっつぃ君は考えました。ねっつぃ君はいすを持ってきたのです。ねっつぃ君はいすに乗ると、お菓子に手が届きました。ついに、お菓子を取ることができました。
 ガタガタ、バッタン。ところが、いすがグラグラ揺れて、ねっつぃ君は転げ落ちてしまいました。
「痛いよー、お母さーん。」
ねっつぃ君は泣きました。けれども、いつもは飛んできてくれるお母さんは今はいません。ねっつぃ君はしばらく泣いた後、お父さんの言ったことを思い出しました。お父さんはこう言っていました。
「男だったらくよくよ泣くな。」
でも、そういうお父さんにお母さんはこう言っていました。
「男も女も平等なんだから、女だってくよくよしちゃだめよ。」
ねっつぃ君はひとりで起き上がりました。
 ねっつぃ君がお菓子を食べながらゲームをしていると、ピンポーンと呼び鈴が鳴りました。
「誰だろ、お母さんがもう帰ってきたのかな。」
そう言って、ねっつぃ君は玄関へと行きました。玄関を開けると、知らないおじさんが立っていました。
「僕、お父さんかお母さんはいるかい?」
おじさんはこう言いました。
「ううん、いないよ。」
ねっつぃ君はこう答えました。
「そうかい.じゃあ、おじさんと遊ぼうか。」
おじさんは、ねっつぃ君の手をつかみ、引っ張り出そうとしました。ねっつぃ君は嫌がりましたが、ぐんぐん引っ張られていきます。このままではねっつぃ君はおじさんにどこかへ連れて行かれてしまいます。
 しかし、そこへお隣に住んでいるおばさんが通りかかりました。
「あら、ねっつぃくん。何してるの?」
とおばさんがいうと、おじさんは一目散に逃げていきました。ねっつぃ君は危機一髪で助かりました。

 お母さんが帰ってきたとき、ねっつぃ君は言いました。
「お母さん、怖かったよ〜。知らないおじさんが来て、連れて行かれそうになったよ〜。」
「だから、知らない人にドアを開けちゃだめよっていったのよ。これからは誰ですかって聞くのよ。」
「うん。]
ねっつぃ君はしばらくお母さんのそばを離れませんでした。

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