ねっつぃ君とお父さんは近くの公園で、自転車の練習をはじめました。
「まず、ひとりで乗ってみろ。」
とお父さんは言いました。
ねっつぃ君はハンドルを握り、サドルにまたがり、両足をペダルに乗せました。すると…
ばたんとねっつぃ君は自転車ごと倒れました。
「痛いよー。」
とねっつぃ君は言いました。
「くじけるな、ねっつぃ。」
お父さんはねっつぃ君を励ましました。ねっつぃ君は何度も挑戦しましたが、ねっつぃ君はどうしてもこぎ出す事ができませんでした。
だからねっつぃ君はバタン、バタンと、倒れつづけました。ねっつぃ君は傷だらけになってしまいました。
そこで、お父さんは言いました。
「この位でいいだろう。そろそろ乗り方を教えてやろう。」
お父さんはテレビを見て、簡単に自転車に乗れるようになる方法を知っていました。だけど、余りに、楽だとねっつぃ君は苦労を知らずに成長することになると思って、頑張らせていたのです。
お父さんはペダルを外しました。
「ねっつぃ、この自転車に乗って、足で蹴って進むんだ。」
ねっつぃ君は足で地面を蹴って、どんどん進みました。
「わーい。」
ガチャン、ねっつぃ君は壁にぶつかりました。
「ねっつぃ、止まる時はハンドルについているブレーキをかけるんだ。曲がる時は車輪を曲がりたい方向に向けるんだぞ。」
ねっつぃ君は足で地面を蹴って、公園中を走り回りました。
「ねっつぃ、今度は地面を強く蹴った後、両足を上げてみろ。」
ねっつぃ君は地面を強く蹴り、両足を地面から離しました。自転車はふらふらして倒れそうになりますが、足をつくので倒れません。ねっつぃ君はだんだんふらふらしなくなりました。
「よーし、今日はここまで。」
傷だらけのねっつぃはお家に帰るとすぐ、ぐっすり眠りました。
次の日
「ねっつぃ、今日はまず、ペダルのこぎ方を教えてやろう。」
お父さんは、自転車のスタンドを立てて、ねっつぃ君をサドルに座らせました。
「このままこいでみろ。」
ねっつぃ君はこいでみました。タイヤは空回りしています。
「一、二、一、二と、こぐんだ。」
ねっつぃ君はお父さんの言うとおりに、一、二、一、二と、こぎ続けました。
しばらくして、お父さんは言いました。
「そろそろ、走ってみろ。」
ねっつぃ君はスタンドを倒してこいで見ました。自転車は少し進みましたが、ふらふらして倒れてしまいました。
「ねっつぃ、下を見ないで前を見ながら進むんだ。」
今度はぐんぐん進みます。
「わーい。進むよー。」
ねっつぃ君は大喜びしました。
「よくやった、ねっつぃ。」
ついに、ねっつぃ君は自転車に乗れるようになったのです。
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