傷つくことを恐れる弱さ

 ひとには、自らの生命を守るため、恐怖と言う感情が備わっていて、肉体的に傷つくことを恐れます。一方、ひとは肉体だけでなく精神的にも傷つくことがあります。自分の考えを否定されたり、行動を非難されたり、思いやりが受け入れられなかったり、自分の価値を認められなかったりしたときに心が気付くでしょう。傷の深さも浅いものから深いものまで、癒えるまでの期間も人によって短かったり、長かったり、時にはその後遺症でも苦しむことがあります。
 人間関係ではときに対立が起こります。そのときに一方が相手を非難したり、悪口を言ったり、叱ったりして、相手を傷つけることがあるでしょう。傷つくことを恐れる人は批判されることがないように、対立をできる限り避け、恨みや反感を買わないように振舞うでしょう。また、人からどう思われるかを気にするあまり、自分から意見を言うことがなく、自分を曖昧に見せ、相手の意見に同調することでその場をやり過ごそうとするでしょう。一度、叱られるといつまでも気にしてしまうかもしれません。また、関係悪化を恐れて、頼みごとや誘いを嫌でも断れないかもしれません。自分の気持ちに素直になれず、自分を見せることもできずに、一見、明るく振舞っているように見えても心を閉ざしているのかも知れません。
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