踏み出せない弱さ

 不確実性を避けるのはある意味懸命なのかもしれません。不確実性の塊であるギャンブルにおぼれて身を滅ぼす人もいます。しかし、事故や天災など不確実性を回避し難いこともあります。その場合、保険に入って不足の事態に備える場合もあります。
 ひとは安全で確実な状態に置かれると安心します。逆にリスクのある不確実な状況では不安を覚えます。しかし、何かを得ようとするとき、不確実な選択をしなければならないことがあります。くじを引くとき、試験を受けるとき、情報が限られた中で判断を下すとき、進路を決めるとき、意中の人に告白するときなど。しかし、躊躇なく選択をするときもあれば、躊躇して怖気づいてしまうこともあるでしょう。その裏にあるリスクをどう捉えているかによるのでしょう。おまけのくじ引きではずれるくらいは何ともないでしょうが、間違った選択をして仕事で失敗したり、振られてしまったりと不利益を被る場合もあります。また、傷ついたり落ち込んだりするかもしれません。
 踏み出せない弱さは不確実性を過大評価しているため生じるのでしょう。未来に必要以上に悲観的になっているのかもしれません。できるだけ責任をさけたり、リスクのあることは先送りしてみたりと。今の状況が居心地が良く、現状維持でも不満がない、また、選択を迫られないのも要因かもしれません。
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