比較と感情
多くの感情は比較から生まれると考えることができます。例えば、急に雨が降ってきて、怒りを感じる場合、雨が降っていないときに比べ、雨に濡れると言う不利益を被るため、怒りと言う感情が沸いてくるのです。
また、贅沢や便利さに慣れると、質素で不便な生活になかなか戻れないというのは自分の経験した二つの生活を比較して、質素で不便な生活に辛さや惨めさを感じてしまうためです。
スポーツ等、競争の世界では順位が重んじられます。順位はどちらが上かどちらが下かを示すものです。相手に比べ、自分の方が高い順位にいれば、優位性を感じることができます。逆に低い順位にいれば、劣等感やうらやましさ、妬みを感じることでしょう。
しかし、自分より上位に誰もいないのは自分が1位であるときだけです。1位であるのは、どんなに多くの人がその競争に参加したとしてもたった一人なのです。大部分である他の人はその人より下位にいることになります。あなたは上位の人に対してどんな感情を抱くでしょうか。
こういったことは何も競争の世界ばかりではありません。例えば、友人に幸せが訪れた場合も同じです。友人が幸せになることであなたはそれを祝福するかもしれませんが、同時に自分自身の幸せの度合と比較するでしょう。もし、自分の幸せが友人の幸せに劣っているとしたら何だか置いてけぼりを食ったような気になり、うらやましいという感情を抱きます。その後、あなたはどう考えるでしょうか?
友人を妬むのでしょうか?
自分は不幸でだめな人間だと思うのでしょうか?
それとも、自分も負けじと幸せになろうとするのでしょうか?
どうでしょう? 答えは出ましたか。その答えがあなたの気持ちのスタンダードの一部なのです。
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