grope

 その時、突然道は閉ざされた。私が描いていた目的地へと向かう道筋が一瞬にしてかき消されてしまった。やっとのことで見つけたはずの入り口が急に遠ざかってしまったことで、その達成のために日夜努力してきたはずの目標までも見失ってしまったように感じられた。再び入り口に辿り着くまでの間さまよいつづけていくこと、後れをとってしまってたことを正当化するだけの理由等すぐには見つからなかった。新たな道筋が見つかるどうかの不安を見ないようにしながら、至近の問題に取り組みつづけていた。しかし、それをすることは決して前へ向かって歩を進めることではなかった。この時間を意味のある時間と位置付けることがどうしてもできていなかった。
第31話
目次に戻る
PC版TOP
携帯版Menu