inevitable happening
私は否定しながらもどこかでそれを求めていたのだろう。それが、ある意味偶然に訪れることを期待していた。
しかし、それが必然的に訪れることを恐れていた。そんなところでは決して正直にはなれないだろう、避けてしまうだろうと考えていた。素直に向き合いたいと願っていた。だからこそ、意図せぬ必然性が起こらないことを願っていた。もしそれが決まったとしたら、向かうしかないのだ。決まった後で起こる前に避けることができたとしても、もはやそれは逃げることにほかならない。それは、決してできないことだった。
望んだ通りにその必然性は起こることはなかった。空虚な感覚に包まれながら思った。避けたいと思っていてもどこかで期待していたのかもしれないと。可能性というのは限りなく不確実であり、永遠というものは限りなく長いということに気付き始めていた。
第3話
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