排ガスによる大気汚染

 

 主な大気汚染の原因は窒素酸化物、硫黄酸化物、浮遊粒子状物質である。窒素酸化物、硫黄酸化物は雨の中に溶け込み、pH5.6以下の酸性雨の原因となる。酸性雨は土壌・森林や湖沼への悪い影響がある。また、窒素酸化物はぜんそくなどの呼吸気疾患との相関があり、光化学スモッグの原因となる。浮遊粒子状物質は粒経10μm以下の粒子である。浮遊粒子状物質の中でも特にディーゼル自動車から出るディーゼル排気微粒子(DEP )にはベンゾピレンやニトロピレンなどの発癌性物質が含まれている。また、ディーゼル排気微粒子はアレルギーの原因となりや環境ホルモン作用があると言われている。

 この中で、硫黄酸化物は重油の脱流や工場での排煙脱流装置の設置で昭和42年以降著しく減少した。

 しかし、窒素酸化物排出量は東京周辺では5割は自動車からのものだ。(資料、環境白書)窒素酸化物の二酸化窒素の環境基準は平均0.06ppm以下であるが。それを上回る場所がかなり多くある。

 また、浮遊粒子状物質の4割はディーゼル自動車から出ている。ディーゼル自動車はガソリン車の30〜100倍のディーゼル排気微粒子を出す。ディーゼル自動車は走行量では全体の23%だが、窒素酸化物排出量は53%を占める。

 川崎公害訴訟の判決では二酸化窒素と浮遊粒子状物質がぜんそくなどの公害病を発症・悪化させることが認められ、国と首都高速度道路公団に損害倍賞金の支払いが命じられた。

 特に自転車で通学するときは道路沿いを走るので、健康によいのか悪いのかわからない。


参考文献 クルマ依存社会 柴田徳衛 永井進 水谷洋一 実教出版 1995

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