1.ねっつぃのしょうがっこうにゅうがく

　ねっつぃくんもやっとしょうがっこうににゅうがくすることになりました。
にゅうがくしきのひ、ねっつぃくんははじめてブレザーをきて、ちょうねくたいをしました。
ねっつぃくんはうごきづらくてちょっといやでした。
おとうさんはむすこのはれすがたをよろこんで、カメラをもっていくつもりでした。
　そして、８じになるとねっつぃくんはおとうさんといっしょにしょうがっこうにむかいました。
ねっつぃくんのうちからしょうがっこうまでは、500mほどですが、ねっつぃくんはしょうがっこうにはおかあさんといっしょに１かいしかいったことがありませんでした。
みちのりのはんぶんくらいあるいたところでおとうさんはきがつきました。 「しまった。カメラのフィルムがきれていた、かってこないと。ねっつぃ、ちょっとまってて。」
おとうさんははしってどこかにいってしまいました。
しばらくたってもおとうさんはもどってこなかったので、ねっつぃくんはかなしくなりましたが、ないちゃいけないといわれていたので、なみだをこらえました。
しょうがないのでねっつぃくんはひとりでしょうがっこうへいこうとおもいました。
　しかし、ねっつぃくんはみちにまよってしまいました。ねっつぃくんはますますかなしくなって、なみだがでてきました。
かなしくておかあさんのことをおもいうかべると、あることをおもいだしました。
おかあさんはこういっていました。
「わからないことがあったら、わかるひとにおしえてもらいなさい。きくはいっときのはじ、きかぬはいっしょうのはじといって、ゆうきをふりしぼってきくことがたいせつなのよ。」
ねっつぃくんはゆうきをだして、ちかくをあるいていたおねえさんになみだながらにいいました。
「しょうがっこう、どこですか。」
ないているねっつぃくんをみたおねえさんは、ねっつぃくんをしょうがっこうまでつれていってくれました。
「ありがとう、おねえさん。」
ねっつぃくんのかおからなみだがきえました。
そのあと、ねっつぃくんはひとりでにゅうがくしきにしゅっせきしました。
そして、じぶんのなまえがよばれるとげんきよくへんじをしました。
「はい！」
でも、おとうさんのすがたはみえませんでした。
にゅうがくしきがおわると、ねっつぃくんはせんせいにおくってもらいました。
おかあさんはびっくりして、せんせいにあやまりました。
ねっつぃくんはいえのなかにはいると、おかあさんにだきつきなきじゃくりました。
しばらくして、おとうさんがかえってきました。
「ごめん、おみせがなかなかみつからなかった。」
おかあさんはおとうさんをこっぴどくしかりました。
ねっつぃくんはなきつかれてねむっていました。