ねっつぃくんはおとこのこです。いま、おじいちゃんのいえにあそびにきています。
　ねっつぃくんはだいすきなおじいちゃんといっしょにさんぽにいきました。さんぽのとちゅうで、ねっつぃくんはありさんがあるいているのをみつけました。
「ありさん、ありさん、どこいくの？」
ねっつぃくんはききました。
「おしえてほしかったら、くいものをよこしな。」
ありさんはこうこたえました。
「えー、なんで？」
ねっつぃくんはふしぎそう。
「じぶんがなにかしてほしかったら、あいてにもなにかしてあげるもんだ。ただでなにかしてもらおうなんて、あまいぜ。それがよのなかってもんだ。」
ありさんはねっつぃくんにせっきょうしたのです。
ねっつぃくんはおしえてくれないのにおこって、ありさんをふんづけました。
「ぐわっ。」
ありさんぺちゃんこ。
それをみていたおじいさんはいいました。
「こら、ねっつぃ。いきものをそまつにあつかっちゃいかんよ。いっすんのむしにもごぶのたましいといって、ちいさなむしでも、ちゃんとひとつのいのちをもっているのじゃ。」
ねっつぃくんはおじいさんのいうことはすなおにききました。
「うん、わかった。ありさん、ごめんね。しんじゃったけど、よのなかのことはおぼえておくよ。」

　いろんなことをまなんだねっつぃくんは、おじいちゃんのいえにかえりました。ねっつぃくんはおばあちゃんのつくってくれるおちゃがすきでした。
「はい、おちゃですよ。」
おばあちゃんは、ねっつぃくんにおちゃをくれました。
　しかし、ねっつぃくんはありさんのことをおもいだしました。
「おばあちゃん、ぼくは、おちゃをもらったけれど、ぼくはおばあちゃんになにかあげなくてもいいの？それがよのなかってもんでしょ？」
あばあちゃんはいいました。
「おばあちゃんは、ねっつぃがおちゃをおいしそうにのんでいるのをみるだけでいいのよ。」
「そうか、このおちゃはただなんだ。」
「そうよ、ただちゃよ。」
「わーい、ただちゃ、ただちゃ。」
ねっつぃくんはただちゃがだいすきになりました。