愛って何なんだよ

ずっと大好きだった幼なじみの子。すごく明るくてすごく可愛い子。僕は小心的な性格から告白なんてできやしなかった。しかし思春期真っ盛りの高校生の時、友達からの強引な説得などから、ついに僕は彼女に告白することにした。「ずっと好きだった、付き合ってくれ!」心臓の高鳴りは今まで感じたことのない程高鳴っていた。彼女の返答は、以外にも即OK。「あたしも好きだったよ」‥…その日から僕等は付き合いはじめ、毎日一緒に帰って一緒に笑って、同じ時を一緒に過ごした。彼女の親とも昔から仲がよかったし、付き合ったことも知っていた。‥…はじめてのデートで行った映画の帰り、ゲーセンで取ってあげた可愛いぬいぐるみのストラップを、彼女は大事に持っていてくれた。確かに二人の間には愛があった。‥…手を握れること、彼女に会うこと、彼女に会えること、ただそれだけで僕は幸せだったんだ。本当に大好きだったんだと思う。付き合ってから三ヶ月、もう辺りは寒くなってきていた。僕の誕生日はクリスマス。この悲惨なことに対して彼女は僕に、「じゃあ、2倍のとっておきのプレゼントをあげる!」と言ってくれた。12月12日の土曜日、僕は眠い目を擦り、いつも通り部活に向かった。部活が終わってふと携帯を見ると、着信履歴があった。見てみると彼女からではなく彼女の親からの電話だった。不思議に思ってかけなおしてみると、様子がおかしい。声はかすれて聞き取りにくい声。その声で僕に言った。「○○、事故で‥…」そのあとは何を言っているのかわからなかったが、僕は部活着のまま学校を飛び出して病院に駆け付けた。そこには静かに眠る彼女の姿‥…。‥…僕は悟った。しかし信じられずにいた。信じられるはずかない。なぜ?そんなはずはない。昨日だって一緒にいたじゃないか。「おい、ふざけるなよ?」僕は震えた声で出来るだけいつも通りに言った。しかし返答はない。あんなに明るかった子が今は一言も発しない。手にはあのぬいぐるみのストラップを握っていた。こんなの握る力あるなら、目を開け!口をあけろ!何でもいいから喋ってくれ!‥…心の中で、何度も叫んだ。もう彼女と見つめ合うこともできないし、笑い合うこともできない。彼女の手は冷たかった。‥…彼女のお母さんが言うには、彼女は僕の誕生日にあげるプレゼントのために、買い物に行ったのだと話した。その事実を聞いた瞬間僕の頭は真っ白になった。哀しみなんて簡単なことばじゃ片付けられない。僕は彼女の親に土下座をして必死に謝った‥…。僕は帰された。 なんでだよ‥…なんなんだよ‥…何が2倍のプレゼントだ‥…こんなプレゼントいるはずないだろ!!!僕のために彼女は死んだと言うのか。愛って何なんだ‥…。
この時期になると、寒さだけではない寂しさが僕を包む。

はっぴ
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